看護師の退職当日、同僚や上司に向けた挨拶は、単なる形式的なものではありません。その場を通じて、長い間一緒に働いてきた仲間たちに感謝を伝えるとともに、自分自身の成長や学び、そして新たなスタートに向けた決意を表明する貴重な機会でもあります。
そこで今回は、看護師の退職当日挨拶の7つのポイントについてご紹介しました。挨拶をまとめる時間や、理由の伝え方、挨拶のタイミング、感謝の気持ちの表現など、具体的なアドバイスをご提供しました。また、退職を迎える看護師の方が挨拶の中で思い出や学びのあるエピソードを語ることで、同僚や上司たちの心に残る印象を残すことができるということもお伝えします。
看護師の退職当日(最終出勤日)の流れ
看護師の退職当日(最終出勤日)の流れは次のとおりです。
- 始業前に看護師長に挨拶をする
- いつも通り仕事をする
- 同僚や後輩にお得情報は共有しておく
- 引き継ぎ漏れがないか最終確認する
- 菓子折りは病棟の慣例に従う
- 夜勤なら出勤時間や挨拶する時間の調整をしておく
- 挨拶まわりは部署のトップから順番に回る
- 退職時にもらう書類や手続を確認しておく
これらについて詳しく解説していきます。
始業前に看護師長に挨拶をする【挨拶をするタイミングを最終打ち合わせしておく】
退職当日、始業前には看護師長に挨拶をすることが重要です。挨拶をするタイミングは最終打ち合わせで確認しておきましょう。看護師長には、これまでのご指導やご支援に感謝の気持ちを伝えると良いでしょう。また、最後の出勤日を無事に終えるようお願いすることも忘れずにしましょう。
いつも通り仕事をする
退職当日はいつも通り仕事をすることが大切です。業務の遅れや不備があってはいけません。退職が決まったとしても、患者さんやチームメンバーに迷惑をかけることのないように最後まで責任を持って仕事をしましょう。その姿勢が周りに感謝されることでしょう。
同僚や後輩にお得情報は共有しておく【有給休暇の消化や何ヶ月前までに退職意思を伝えるかなどできる限り伝える】
退職前には、同僚や後輩にお得情報を共有しておくことが重要です。例えば、有給休暇の消化や、退職意思を伝える期限など、できる限り情報を共有しておくことで、後輩たちが同じ失敗をしないようにすることができます。また、後輩たちにはこれまでの経験や知識を伝えておくことで、今後の彼らの成長に繋がることでしょう。
引き継ぎ漏れがないか最終確認する【書類やファイルやデータを忘れずに渡す】
看護師の退職当日は、引き継ぎがしっかりと行われることが大切です。そのため、書類やファイル、データなど、引き継ぎに必要なものを忘れずに渡すようにしましょう。特に、重要な患者さんの情報や手順などは、しっかりと引き継がれるように確認することが大切です。もし、何か漏れがあれば、後任の看護師や上司に迅速に報告し、対応してもらうようにしてください。
菓子折りは病棟の慣例に従う【焼き菓子や日持ちするものがおすすめ】
看護師の退職当日には、同僚たちへの感謝の気持ちを込めて、菓子折りを渡すことがあります。このときは、病棟の慣例に従って、どのようなものを渡すかを決めましょう。焼き菓子や日持ちするものがおすすめです。また、菓子折りを渡す際には、手渡しで渡すか、机の上に置いておくか、事前に相手に伝えておくようにしましょう。
夜勤なら出勤時間や挨拶する時間の調整をしておく【休みに出勤することになってもしかたないかも】
退職当日が夜勤である場合は、出勤時間や挨拶する時間の調整をしておくことが大切です。たとえば、夜勤明けに挨拶する場合は、睡眠不足にならないように、事前に調整しておくことが必要です。また、万が一、休みに出勤することになっても、臨機応変に対応することが大切です。
退職後の挨拶回りについて【トップから順に回り、時間に余裕をもって行う】
看護師の退職当日は、退職後の人間関係を良好に保つために、同僚や上司に挨拶をすることが重要です。特に、部署のトップから順番に挨拶回りをすることが望ましいでしょう。ただし、当日でなくてもOKですし、時間に余裕をもって行うようにしましょう。また、退職後も人間関係が維持できるよう、笑顔で感謝の気持ちを伝えることが大切です。退職後も繋がりを保てるよう、SNSなどのアカウントを交換することも検討してみましょう。
退職手続きに必要な書類や手続きの確認【必要書類の送付日や返却物を確認し、手続きを完了させる】
退職当日には、退職に関する書類や手続きについて最終確認をしておくことが重要です。具体的には、退職に必要な書類が全て揃っているか、退職手続きを完了するために必要な期限や送付日などが確認できているかを確認しましょう。また、返却物がある場合には、返却期限を遵守して返却することが求められます。このように、退職に関する手続きを完了させることで、スムーズに退職することができます。退職後に手続きを怠ってしまうと、後々トラブルが生じることもあるため、細かな点まで確認するよう心がけましょう。
看護師が退職時に使える挨拶例文5選
看護師が退職時に使える挨拶例文5選は次のとおりです。
- 朝のミーティング(申し送り)での挨拶例文
- 同僚・後輩・先輩への挨拶例文
- 看護師長への挨拶例文
- 看護部長や医院長などへの挨拶例文
- お世話になった上司への挨拶例文
朝のミーティング(申し送り)の場合
おはようございます。皆さんお忙しいところ、すみません。私事ではありますが、この度一身上の都合により退職することになりました。退職日は××月××日になります。引き続き、残された期間も精一杯努めて参りますので、よろしくお願いします。
同僚・後輩・先輩への場合
みなさん、お世話になりました。この度私は、一身上の都合により退職することになりました。◯◯病院での△△年間は、たくさんの経験をさせていただき、皆さんから学ばせてもらったことがたくさんあります。今後も皆さんと連絡を取り合って、看護師としての成長を続けたいと思っています。
看護師長への場合
看護師長の〇〇様、お世話になりました。この度、一身上の都合により退職することになりました。短い期間でしたが、〇〇様にはたくさんのことを学ばせていただきました。ありがとうございました。引き継ぎについては、しっかりと対応させていただきますので、ご心配なく。
看護部長や医院長などへの場合
この度、私は一身上の都合により退職することになりました。看護部長(または医院長)様とは短い期間でしたが、ご指導をいただき、本当にありがとうございました。これからも看護師として成長を続けるため、新たな場所で頑張っていきたいと思っています。
お世話になった上司への場合
私事で恐縮ですが、この度一身上の都合により退職することになりました。この△△年間、〇〇様からは様々なことを教えていただき、支えていただきました。本当にありがとうございました。今後も〇〇様に負けない看護師として成長していくため、日々努力して参ります。
看護師の退職当日挨拶の7つのポイント
看護師の退職当日挨拶の7つのポイントは次のとおりです。
- 挨拶は1分~3分程度にまとめておく
- 退職理由は「一身上の都合」でOK
- 挨拶のタイミングは看護師長と事前に打ち合わせしておく
- 挨拶の中で「感謝の気持ち」を伝える
- 挨拶はポジティブで明るい内容を意識する
- 思い出や学びのあるエピソードがあると尚良し
- 泣いたりテンパったりするならカンペを用意しておく
挨拶は1分~3分程度にまとめておく
退職当日の挨拶は、職場での最後の挨拶となりますので、1分~3分程度でまとめておくことが望ましいです。時間をかけすぎると周りが待ち遠しく思い、場の空気を悪くしてしまうことにもなりかねません。
退職理由は「一身上の都合」でOK【同僚や先輩に言ってあるなら本当の退職理由でもOK】
退職理由については、「一身上の都合」という形で伝えるのが無難です。同僚や先輩には本当の理由を話している場合もあるでしょうが、退職当日の挨拶ではその詳細まで話す必要はありません。ただし、理由を言わない場合には、周りが不安に思うこともあるため、伝えることをお勧めします。
挨拶のタイミングは看護師長と事前に打ち合わせしておく
退職の挨拶のタイミングについては、看護師長と事前に打ち合わせを行っておくことが望ましいです。職場の状況やスケジュールによっては、スムーズに挨拶をすることができない場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。
挨拶の中で「感謝の気持ち」を伝える
退職の挨拶では、自分がお世話になった人たちに対して感謝の気持ちを伝えることが大切です。例えば、「皆さんに支えられて、ここまで勤めることができました。本当にありがとうございました」といった形で感謝の気持ちを伝えると良いでしょう。
挨拶はポジティブで明るい内容を意識する
退職当日の挨拶では、ポジティブで明るい内容を意識することが大切です。「退職することは寂しいけれど、新しい道が開けるということで、とてもワクワクしています」といったように、新たなスタートに向けて前向きな姿勢をアピールしましょう。また、仕事に関する感謝の気持ちや成長できたことについても、ポジティブな視点から表現することが重要です。
例えば、「この職場での経験は、私が看護師として成長できた大きな要因の一つです。今後も、この場で培った経験を生かし、看護師としての力を更に磨いていきたいと思っています」というように、前向きな気持ちを伝えながら、退職後の自分のキャリアについても語ることができます。
思い出や学びのあるエピソードがあると尚良し
退職時には、同僚や上司との思い出や学びのあったエピソードを振り返ることが大切です。これは、単に感謝の気持ちを伝えるだけでなく、自分が成長したことを示すことができるからです。
例えば、ある患者さんとの接し方について苦労した経験や、ある緊急事態に際して自分がどう対処したかを振り返ることで、自分の成長や強みをアピールすることができます。ただし、過度に自己アピールすることは控え、謙虚な姿勢を示すことが大切です。
また、思い出話やエピソードを交えることで、挨拶がより温かみのあるものになります。ただし、その内容には注意が必要で、会社や職場のルールに反するようなことや、他人のプライバシーを暴露するようなことは避けるようにしましょう。
泣いたりテンパったりするならカンペを用意しておく
最後に、もしも退職挨拶の際に泣いたりテンパったりする場合は、カンペを用意することも検討しておきましょう。感謝の気持ちや思い出を込めた言葉を伝えることは、簡単ではありません。また、退職当日は緊張や感情的な状態に陥ることが多いです。そんな時には、自分の言葉を整理しておくためにカンペを用意すると良いでしょう。カンペには、挨拶の流れや伝えたい言葉を簡潔にまとめて書いておくと良いでしょう。ただし、カンペはあくまでも補助ツールであり、あまりにもこだわりすぎると、むしろ不自然になってしまうかもしれません。そのため、事前に練習を重ねておくことも大切です。
まとめ
看護師が退職する際には、適切な挨拶を行うことが重要です。挨拶は、一般的に1分~3分程度にまとめ、ポジティブな内容を意識し、看護師長と事前に打ち合わせをするようにしましょう。また、退職理由は「一身上の都合」でOKです。感謝の気持ちを伝えることも大切で、思い出や学びのあるエピソードがあれば、その話をすると良いでしょう。
テンパったり、泣いたりする場合には、カンペを用意しておくこともおすすめです。挨拶が明るくポジティブな内容であることはもちろんですが、最後にはお世話になった方々に対しての感謝の気持ちを伝えることが重要です。